また、天才を見つけてしまった。
早見和真さんのイノセントデイズはストーリーが美しかったです。
読んでいてだらける場所がなく、メッセージがちりばめられており、
日本推理作家協会賞長編ということもあり、ミステリーさがある作品に仕上がってはいるが、
単なる推理小説と片付けるのはもったいない作品でした。
山崎豊子さんの沈まぬ太陽にも感じましたが、
日本人の美しさを感じました。
忍耐、決して驕らない、語らない中での美徳、欲しがらない。
ただ、尊敬に値する人でありながらも、幸せになることはできないこともある。
人に愛されるということはどういうことなのか?
どうすれば愛されるのか?
正しい行いというのは何なのか?
声を大にして、興奮しながら憤りを感じるようなことがあっても、
大丈夫だよ。と言える心の広さには憧れるが、これは正しいことなんだろうか。
生きる上での正解が分からなくなるけど、そこで感じる自分の中での正解に出会えた時、
やっぱ、それでいいんだよねという安堵感もあります。
そういう、正解を見つける生き方を発見できる一冊なんじゃないでしょうか。
実写化したら、ぜひ、映像化された本作品を見たいと思います。
![]() | イノセント・デイズ (新潮文庫) Amazon |